「混同」ってなぁに?

「実施権は混同により消滅する」、「他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為」。何のこっちゃ、と思われるでしょうが、法律用語「混同」の使用例です。

特許法を勉強し始めると、第35条の論点に出会う。使用者が従業者から特許を受ける権利の譲渡を受け、さらに当該使用者がそれを従業者に返還しあるいは第三者に譲渡し、第三者が特許権を取得した場合に、使用者に通常実施権が残るか否か。

ある学説によれば、『従業者から使用者に特許を受ける権利が譲渡された段階で、(中略)使用者の実施権は混同により消滅する』とある(中山信弘著「法律学講座双書 工業所有権法〈上〉特許法 第二版増補版」弘文堂 74頁)。

「混同」もしくは「混同により消滅」と聞いて、どのように理解されるでしょうか?

「混同」には、以下の2つの意味があります。

1) 一般に、法律上相対立する積極的な力と消極的な力と(例えば、債権と債務のような)の両者が同一の主体に帰属するようになること、すなわち、同一人について併存させる必要も理由もないような2つの法律上の資格が同一人に帰属することをいう。

2) 2つ以上のものが互いに混ざり合って識別がつかなくなること、又は識別を困難にするように混ぜ合わすことを「混同」という場合もある。(吉岡一郎ほか編「法令用語辞典<第9次改定版>学陽書房296頁)

「使用者の実施権は混同により消滅する」の場合の混同は、上記1)の意である。中山信弘著「法律学講座双書 工業所有権法〈上〉特許法 第二版増補版」弘文堂 74頁に次の記載がある。『従業者から使用者に特許を受ける権利が譲渡された段階で、使用者は特許を受ける権利と実施する権利の双方を取得したのであり、使用者の実施権は混同により消滅する。』

一方、「他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為」の場合の混同は、上記2)の意である。(不正競争防止法第2条第1項第1号)

何かの参考になれば幸甚に存じます。

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