特許出願せず、営業秘密で保護を図る場合の取組みとは?

前回は「特許出願での保護、営業秘密での保護(1)」として、発明発掘・発明創作活動によって発掘・創作した発明を、特許出願によって保護するか、あるいは特許出願せず、営業秘密や、先使用権(特許法第79条)などで保護するか検討・判断する際のポイントを説明しました。
今回は、営業秘密で保護を図る場合の取り組みを説明します。

営業秘密による保護

営業秘密の不正な取得、使用、開示、等の行為に対しては差止請求や、損害賠償請求が可能です(不正競争防止法2条1項4号〜10号、同法第3条、同法第4条、等)。
同法に基づき、特許出願を行わないと決定した技術やノウハウについて営業秘密として保護を図る道があります。

営業秘密とは

営業秘密として保護を受けるためには、会社が秘密として管理しようと考えている情報について、次の3つの条件が満たされていなければなりません(不正競争防止法2条6項)。

(1)秘密として管理されていること(秘密管理性)

会社が秘密として管理しようと考えている対象(情報の範囲)が従業員等に対して明確化されている必要があります(認識可能性)。その情報に合法的かつ現実に接触することができる従業員等からみて、その情報が会社にとって秘密にしたい情報であることがわかる程度に、アクセス制限やマル秘表示といった秘密管理措置がなされている必要があるとされています。

(2)有用な営業上又は技術上の情報であること(有用性)

会社が秘密として管理しようと考えている情報自体が客観的に事業活動に利用されていたり、利用されることによって、経費の節約、経営効率の改善等に役立つものである必要があるとされています。例えば、設計図、製法、製造ノウハウなどの技術情報、顧客名簿、仕入れ先リスト、販売マニュアルなどの営業情報が営業秘密に該当し得るとされています。なお、現実に利用されていなくてもよいとされています。

(3)公然と知られていないこと(非公知性)

合理的な努力の範囲内で入手可能な刊行物には記載されていないなど、保有者の管理下以外では一般に入手できないことが要求されています。
詳しくは経済産業省のHP「営業秘密〜営業秘密を守り活用する〜」で紹介されている「秘密情報の保護ハンドブック〜企業価値向上に向けて〜」、「営業秘密管理指針」をご参照ください。

不正競争防止法の規定に基づいて保護を受けるために必要な秘密管理措置の程度、秘密管理措置の具体例、秘密情報の漏洩対策、各種規定・契約等のひな形などが紹介されています。

営業秘密で保護を図る場合の注意点

特許出願を行わないと決定した技術やノウハウについて営業秘密で保護を図ろうとする場合、上述した(1)秘密管理性、(2)有用性、(3)非公知性が満たされているように適切に管理されていなければ、そもそも、営業秘密としての保護を受けることができません。
特許出願による保護にするか、営業秘密での保護にするかの検討、営業秘密での保護にする場合の具体的な取り組みについては弁理士などの専門家のアドバイスを受けることをお勧めします

次回は、先使用権で保護を図る場合の取り組みを説明する予定です。

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