国際商標登録出願の基礎出願を早期に審査してもらいたい

《相談内容》 新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標)ではない従来から認められているタイプの商標について、国内で商標登録出願をしており、この出願日から約半年以内の国際展示会に出展する予定です。海外でも迅速かつ簡便に商標権を取得したいので、この国内の商標登録出願を基礎出願としてマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願(以下、「マドプロ出願」といいます。)をしたいと考えております。
 しかし、マドプロ出願には「セントラルアタック」というのがあって、その基礎出願について、国際登録の日から5年の期間が満了する前に、①指定商品(役務)が補正により減縮、②拒絶、却下、取下げ、放棄が確定、③存続期間満了、④拒絶査定不服審判が請求され、拒絶が確定(5年経過後を含む。)、⑤異議申立・登録無効(取消)審判が請求され、商標権が取消(5年経過後を含む。)の5つの事由のうちいずれかが発生した場合には、国際登録も取り消されてしまうというのです。
 せっかくマドプロ出願をしても、国際登録の日から5年間は基礎出願に従属しており、上記5つのいずれかの事由が発生した場合には、国際登録が取り消されてしまうというのです。しかも上記①の場合には、指定商品(役務)を補正により減縮して5年以内に基礎出願について登録査定となっても、国際登録が取り消されることに変わりはないそうです。
 そして、セントラルアタックの場合には、国際登録の取り消された日から3ヶ月以内に各出願国での出願に変更しないといけないので、手続きも費用もさらに余分にかかるようです。
 なので、少なくとも基礎出願が登録になってから国際出願したいというニーズがあるんです。

《ご回答》 なるほど、よくわかります。基礎出願を早期に審査してもらうために、「商標登録出願の早期審査」を活用できるか検討しましょう。「商標登録出願の早期審査」は、模倣・侵害事件が生じている出願について早期に結論を出すニーズや経済活動のグローバル化を踏まえ、平成9年9月に導入されました。早期審査の申請を行うため、対象となるための要件を満たしているか検討し、その要件を満たしている出願について、「早期審査に関する事情説明書」等の提出を行い、通常の出願に優先して速やかに審査を開始してもらいましょう。
 従来、「商標登録出願の早期審査」の運用においては、マドプロ出願をする予定があるだけでは認められず、国際出願“済”の基礎出願のみを対象としていました。
 しかし、マドリッド協定議定書の利用件数は年々増加しており、利用するユーザーからの国際出願予定の基礎出願の審査結果を早く知りたいといった声など、多様化するユーザーニーズに応えるべく、平成29年2月6日(月)からこれからマドプロ出願を行う場合も対象となっています。
 そこで検討すると、まず(1)従来から認められているタイプの商標であり、この出願商標について、出願人がマドプロ出願の基礎出願とする場合ですので、権利化について緊急性を要する出願に該当するといえるでしょう。
 あとは、(2)出願人(ライセンシー)が、出願商標を指定商品・指定役務に使用している又は使用の準備を相当程度進めていることが必要です。出願人又はライセンシーが商標を商品(役務)について使用していることを示す客観的な資料又は出願人又はライセンシーが商標を使用する準備を相当程度進めていることを具体的に説明してください。どのような資料や説明が必要なのかについて、ご不明な点やご質問は、弁理士にお尋ねください。
 上記(1)(2)の双方に該当する商標登録出願が対象です。既に出願されているものについても対象となります。

 早期審査を請求すると、通常の審査に比べて、審査結果を早く得ることができます。早期審査を申請した出願の平均審査順番待ち期間は、平成30年2月時点の日本国特許庁の公表によると、早期審査の申請から平均1.8か月となっています(平成29年実績)。通常の出願と比べて大幅に短縮されています。

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