ベンチャー企業のスーパー早期審査と知的財産推進計画 2018

特許庁WEBの2019年 年頭所感 ~特許庁長官 宗像 直子~において「昨年7月からは、ベンチャー企業向けに、最初の審査結果のお知らせを3週間ほどで行うスーパー早期審査の要件を緩和し、利用しやすくしました。」と記載されていました。
今回は、ベンチャー企業のスーパー早期審査を取り上げたいと思います。
以下は、弊所メールマガジン2018年7月号発行「スーパー早期審査の要件緩和へ(知財推進計画2018)」の記事に一部補足を加えてお伝えいたします。

「知的財産推進計画 2018」策定を受けて

政府の知的財産戦略本部は、「知的財産推進計画2018」を決定し、今後の知財戦略の方向性を示す「知的財産戦略ビジョン」をまとめました。

「知財推進計画2018」では、ベンチャー企業を対象に通常1年以上かかる審査を2〜3か月に短縮できる「スーパー早期審査制度」の適用要件を緩和することを決めました。技術革新が速いIT分野などで、技術力の高いベンチャー企業の特許の早期取得を後押しするとしています。

特許審査に関するベンチャー企業支援策

2018年(平成30年)7月9日から、特許審査に関するベンチャー企業支援策として、以下2つの運用が開始されました。

(1)ベンチャー企業対応面接活用早期審査

実施関連出願について、一次審査結果通知前に行う面接を通じて戦略的な特許権の取得につなげるものです。また、早期審査のスピードで対応することで、早期に質の高い特許権を取得できます。

(2)ベンチャー企業対応スーパー早期審査

実施関連出願であればスーパー早期審査のスピードで対応することで、何よりも早く特許権を取得したいというニーズに応えるものです。

ここで、「ベンチャー企業」とは、出願人の全部又は一部が次の(i)から(iii)までのいずれかに該当する方です。

(i)その事業を開始した日以後10年を経過していない個人事業主
(ii)常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者にあっては5人)以下で設立後10年を経過しておらず、かつ、他の法人に支配されていない法人(注1)
(iii)資本金の額又は出資の総額が3億円以下で設立後10年を経過しておらず、かつ、他の法人に支配されていない法人(注1)
注1:他の法人に支配されていないこととは以下のa.及びb.に該当していることを指します。

a.申請人以外の単独の法人が株式総数又は出資総額の1/2以上の株式又は出資金を有していないこと。
b.申請人以外の複数の法人が共同で株式総数又は出資総額の2/3以上の株式又は出資金を有していないこと。

また、「実施関連出願」とは、出願人自身又は出願人からその出願に係る発明について実施許諾を受けた者が、その発明を実施している特許出願のことをいいます。

スーパー早期審査は、インターネット上で申請を受け付け、特許庁が優先的に審査する仕組み。スーパー早期審査を利用するには、「対象となる発明の特許を海外でも出願済み」「発明を事業で利用済み」といった要件を満たす必要がありますが、ベンチャー企業に限り、これらの要件を緩和するとしています。

「知的財産戦略ビジョン」は、ブロックチェーン(分散型台帳)技術の発展など、最近の変化に対応するために5年ぶりに策定されました。

ブロックチェーン技術などの活用によって、著作権の権利管理や利益配分の自動化・簡略化を進め、適正な対価が関係者に還元される仕組みを構築することなどが提言されています。

「知的財産推進計画2018」「知的財産戦略ビジョン」

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