特許出願の早期審査、申請件数が2017年に2万件超える


早期審査の概要と留意点

特許庁は特許出願の早期審査に関する申請件数を公表しました。早期審査の申請件数は年々増加しており、2017年は20,529件と初めて2万件を超えました。

早期審査・早期審理制度

これは、一定の要件の下、出願人からの申請を受けて審査・審理を通常に比べて早く行う制度です。

早期審査を申請した出願の平均審査順番待ち期間は、早期審査の申請から平均3か月以下(2017年実績)となっており、通常の出願と比べて大幅に短縮されています。

また、早期審理を申請した場合には、申請後、審理可能となってから平均4か月以下(2017年実績)で審決を発送しています。

【早期審査の要件】

早期審査はすべての特許出願に対して請求できるものではなく、以下のような要件があります。

特許の場合、対象になる出願は、(1)実施関連出願、(2)外国関連出願、(3)中小企業等の出願、(4)グリーン関連出願、(5)震災復興支援関連出願、(6)アジア拠点化推進法関連出願と定められています。

【手続】

早期審査を申請するには、早期審査をする事情等を説明するための書類「早期審査に関する事情説明書」を特許庁に提出する必要があります。事情説明書には、先行技術文献の開示及び対比説明を記載しますが、条件によってはこれらの記載を省略することができます。

 例えば、(3)中小企業の出願における「中小企業」は、中小企業基本法等に定められている中小企業のことで、製造業であれば従業員の数が300人以下あるいは、資本金の額が3億円以下のどちらかを満たせば中小企業に該当します。

この場合、「出願人は製造業に属する事業を主たる事業として営むものであって従業員数は○○人、資本金は○億円であるから、『早期審査・早期審理ガイドライン』に定める中小企業である。」と記載するのみでよく、先行技術との対比説明は記載する必要がありません。

【留意点】

早期に審査されると、もちろん早期に権利化されるメリットがありますが、同時に、審査の結果として拒絶された場合は、早期に拒絶査定が確定することになります。

そうすると、出願発明を利用した製品に「特許出願中」を表示することができる期間も短くなってしまいます。

また、早期に特許になるため、国内優先権等によって新たに生まれた改良発明を保護することが難しくなります。早期に特許公報が公開されてしまうため、公開後に出願した改良発明が、自分の特許公報によって新規性や進歩性が否定される可能性もあります。したがって、発明が改良されるような可能性がある場合には、早期審査を申請する前に慎重に検討する必要があります。

また早期に公表される結果、ライバル関係にある他社に自社の技術開発動向を知らせることになるといった点も注意が必要です。

早期審査・早期審理の対象となる要件や必要な手続など、詳細については、ガイドラインをご参照ください。

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